France

国土

面積は54万4,000平方キロメートル(日本の1.4倍)で、人口は約6,582万人(2014年)。公用語はフランス語。西ヨーロッパの領土並びに複数の海外地域及び領土から成る単一主権国家である。

 

宗教

キリスト教カトリックが人口の半分を占め、他イスラム教、キリスト教プロテスタント、ユダヤ教が信仰されている。

 

年表

※フランスの生殖補助医療 関連年表

1973 CECOS (精子研究保存センター)を設置
1982 体外受精による最初の出生
1983 国家論理諮問委員会設置
1994 「人体尊重法」施行
「移植生殖法」施行
「生命倫理法」成立
1999 生殖補助の臨床および生物学的適性実施基準
2001-2002 1999年基準の改定
2004 「生命論理に関する法律」
提供卵子の引き取りと使用に関する衛生安全規則
2006 生殖補助および配偶子の贈与に関する政令
「生命論理に関する法律」細則
2013 同性婚が認められる
2021.12 生命倫理法改正 (女性カップルと独身女性が生殖補助医療にアクセスできる)
2021 生命倫理法改正 (出自を知る権利を認める、シングル女性とレズビアン女性に利用を認める)

 

代理出産

「民法典」に他者のための生殖または妊娠の契約の無効(第16-7条)が記載されており、代理出産は認められていない。
「刑法典」(第227-12条)では、斡旋者に対する処罰が規定されている。

 

精子・卵子・胚提供

無償の精子、卵子、胚の提供は認められている。CECOSがドナーを斡旋している。卵子ドナーは、患者が連れてくれば自分の順番を繰り上げられる。精子と卵子の両方の提供を受けて受精卵を作ることは認められていない。
精子提供による出生児数は1,141人、卵子提供による出生児数は164人、胚提供による出生児数は29人となっている(2013年)。
1976年、提供精子を用いて生まれた子どもとの父子関係をのちに父が否認し、これが認められた。

 

出自を知る権利

ドナーの個人情報が開示されることはなく、子どもの出自を知る権利は認められていない。医学的に必要がある場合のみ、医師がドナーの医療情報にアクセスできる。
2012年、精子提供により生まれた女性が、ドナー情報の開示を求めたが判決により認められなかった。

 

同性婚

1999年10月 国民議会(下院)で民事連帯契約法 (「同性または異性の成人2名による、共同生活を結ぶために締結される契約」)が可決された。
2013年2月 下院で、4月に上院で同性婚解禁法案が賛成多数で可決され、2013年5月に同法律が施行された。

 

公的給付

治療を受ける女性の年齢が43歳まで、人工授精6回、体外受精4回までに限り、給付を受けることができる。

 

LGBT

2013年5月17日の法律により同性婚が可能になった。これに伴い、第三者の子との共同養子縁組、一方の子との連れ子養子縁組が可能になった。
男女カップルと異なり、父性推定は適用されない。同性カップルは、生殖補助医療と代理出産は利用できない。
女性カッブルが国外で生殖補助医療を受け子供を出産、それをパートナーが完全養子縁組にすることが可能である。
男性カップルが国外で代理出産を依頼した場合、遺伝的父がフランスの身分登録簿に父と記載される。パートナーの男性は出生証明書に母の記載がない場合、完全養子縁組も可能と考えられる。

 

文献

N. Kalampalikis M. Doumergue S. Zadeh 2018 Sperm donor regulation and disclosure intentions: Results from a nationwide multi-centre study in France Reproductive Biomedicine & Society Online 5: 38-45. Link

 

Link

CECOS (Centres d’étude et de conservation des œufs et du sperme humains)  Link

フランスの生命倫理法と代理出産 (Dr. Hélène Malmanche).  Link