国土
アイルランド共和国は、北大西洋のアイルランド島に存在する立憲共和制国家である。アイルランド島の南側、約6分の5がアイルランド共和国、残りは北アイルランドでイギリス領である。首都はダブリン。第1公用語はアイルランド語、第2公用語は英語(アイルランド英語)。面積は70,282㎢。人口は約461万人。
宗教
約84.2%がカトリック教徒。
年表
※アイルランドの生殖補助医療 関連年表
1940年代半ば〜1950年代初め | 非配偶者間人工授精の実施が始まる |
1989 | 体外受精の初成功 |
1980年代後半〜1990年代前半 | 精子提供が行われるようになる |
2005年 | Commission on Assisted Human Reproduction (CAHR)から包括的な報告書が出される |
2005年前頃 | 卵子提供が行われるようになる |
2014 | Children and Family Relationship Bill 2014が提出 |
2015 | Children and Family Relationship Bill 2015が施行される |
〃 | 同性婚が認められる |
法律
子ども・家庭関係法案2014が提出された。2015年2月に内閣によって承認され、4月に施行された。これにより匿名の配偶子提供が禁止された。代理出産についての法はなく、さまざまな関連法に従って判断されうる。
Regulations for Tissue and Cells.
The Guardianship of Infants Act of 1964
The Abortion Acts of 2010
The Iris Constitution
The guidelines of the Irish Medical Council. Status of Children Act of 1987
Children and Family Relationships Act of 2015
など
代理出産
代理出産についての裁判例として、
■ MR and DR v. An t-Ard Chlaraitheoir and Others in 2014
依頼女性の姉妹が代理母になった利他的代理出産のケースであり、子どもの法的母親が問題になった。
Mater semper certs set (Motherhood is always certain)の原則に従い、産んだ女性が母親と考えられ、たとえ依頼者の受精卵を使用していても、依頼者は養子手続きが必要である。
■ Z v. A Government Department, the Board of Management of a Community School.
アイルランドの依頼者が米国カリフォルニアで代理出産を依頼したもの。
帰国後、自分が法的母親となるか、または養子として育てるための育休を取得しようとしたが、彼女自身が産んでいないために認められなかった。依頼女性には子宮がなかった。
AHR draft legislationが2015年から審議されており、この法律により、医学的理由がある場合に限り利他的代理出産が合法化される。
精子・卵子提供・胚提供
国内でも実施されているが、ほとんどが海外で行われている。国内の配偶子提供は、無償でなされる。
出自を知る権利
2015年子ども・家庭関係法により匿名の配偶子提供は禁止された。子どもは18歳になれば、情報登録機関よりドナーの情報やドナーの兄弟姉妹についての情報を得ることができる。互いに希望すればコンタクトを取ることもできる。また、子どもの出生登録には、生殖医療により出生していることが登録される。
ガイドライン
Irish Fertility SocietyのConsensus for Infertility and ART Practice 2011が出されている。
同性愛者のアクセス権
レズビアンカップルや独身女性も生殖補助医療や配偶子提供を利用できる。
Link
Consensus for Infertility and ART Practice Link
Irish Fertility Society(IFS) Link
Children and Family Relationship Act 2015 Link
文献
Orla McDonnell 2017 The Veto of Moral Politics: The Catholic Church and ARTs in Ireland. Merete Lie, Nina Lykke, (eds).Assisted Reproduction Across Borders. Link
Maebh Harding 2013 Ireland. Katarina Trimmings and Paul Beaumont(ed).International Surrogacy Arrangements. Oxford and Portland, Oregon. Link
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