Kazakhstan

国土

正式名称はカザフスタン共和国(Republic of Kazakhstan)。面積は272万4900平方メートル(日本の7倍)、人口は1860万人。中央アジアに位置する共和制国家で首都はヌルスルタン、最大の都市はアルマトイ。

 

政治経済・社会

ソビエト連邦崩壊直前の1991年12月16日「カザフスタン共和国」として独立し、1991年12月に独立国家共同体(CIS)に加盟した。5年任期の大統領制である。建国以来、ヌル・オタン(輝く祖国党)が過半数を占め、事実上の一党独裁体制である。2017年のカザフスタンのGDPは1594億ドル、一人当たりのGDPは8,762ドルであり、経済発展が著しい。経済の中心は、鉱物資源の輸出であり天然資源に依存している。通貨はテンゲである。腐敗認識指数(CPI)は123位(最下位はソマリアで167位)。

 

家族

カザフ人は父系の出自を大きなアイデンティティとしている。結婚時は、夫婦同姓、夫婦別姓、複合姓などから選択できる。ジェンダー・ギャップ指数は72位(2020年)。

 

民族と言語

カザフ人が68%、ロシア人が19.3パーセント、ヴズベク人が3%、ウクライナ人が1.5%、その他、ウイグル人、タタール人、ドイツ人など。カザフ語が国語で、公用語はロシア語。

 

宗教

イスラム教(スンニ派)が70.2%、ロシア正教26.3%、仏教(0.1%)、無宗教 0.5%

 

年表

1995 初めての体外受精が実施される。
1998 3件の代理出産が試みられ、うち1件が翌年、出産に至る。
1999 代理出産による子の初めての誕生(Almaty City Center for Human Reproduction、後にInstitute of Reproductive Medicine; IRMと改称)
2004 The law on reproductive rights of citizens and the guarantees of their realizationが通過
2009.09 Code on population health and healthcare system の改定版が発行
2012.07 Code of the Republic of Kazakhstan “On Marriage (Matrimony)and Family.が施行される。

 

法律

健康省が代理出産に関する省令を出している。それによると、代理出産は正式に結婚している男女カップルで、医師の診断が必要であり、年齢や出身国に制限はない。

Republic of Kazakhstan code on family and marriage 1998 (Code of Marriage [Matrimony] and Family 2012)の発効により無効

Code on Marriage (Matrimony) and Family 2012. (Chapter 9 Surrogacy and the use of assisted reproductive techniques adn technologies)

Code on Population Health and the Healthcare System.

Ministry of Health Order#6279 on the Rules of Carrying out Assisted Reproductive Methods and Technologies.

 

体外受精

これまで18,000人の体外受精児が生まれている(2019年)。年間約2,200人の子供が誕生している。2018年は8,000件の体外受精が行われ、2010-18年の間に2,700人の体外受精児が誕生した。体外受精ができる施設は26箇所あり、そのうち21施設が私立病院である。

 

代理出産

代理出産は合法である。米国と同様に商業的な代理出産が実施されている。代理母の卵子は使用が禁止されている(Gestational Surrogacyのみ)。正式に結婚したカップルのみが利用できる。1999年に初めての代理出産子が誕生して以来、年間200-300人の子供が生まれている。代理母は20歳から35歳までで、少なくとも一人の健康な子供の出産経験があることが必要である。代理母への対価に関しては法的な制約がない。IRMが最も代理出産件数が多く、年間150-200件が行われ、60-70件代理出産子が誕生している。代理出産の依頼者が親権を持つ。依頼女性の名前が出生証明書の母親として記載される。もし、依頼者が親権を放棄する場合でも、代理母から支払いの返却を受けることは認められない。この場合、代理母は子供の親権を取ることができるが、拒否した場合、子供は国の監護下に置かれる。

 

Link

Kazakh Association of Reproductive Medicine (KARM)  Link

The Code of the Republic of Kazakhstan on Marriage (Matrimony) and Family (26 December 2011, No.518-Ⅳ Amended in 2014)  Link

カザフスタンの生殖補助医療(Dr. Vyacheslav Notanovich Lokshin) Link

 

文献

Alya Guseva and Vyacheslav Notanovich Lokshin 2019 Medical conceptions of control in the fields of commercial surrogacy in Kazakhstan.  Link

Vyacheslav Notanovich Lokshin 2021 Surrogacy -a worldwide demand. Implementation and ethical considerations   Link

Zhaskaiуrat, M.; Zalimbaуeva, I. 2014 The issues of legal regulation of surrogacy in the Republic of Kazakhstan Bulletin of the karagrand a university, 72-77.  Link