国土・経済・社会
東ヨーロッパに位置する共和制国家。東は黒海に面している。首都はブカレスト。面積は、約23.8万平方キロメートル(本州とほぼ同じ)で、人口は、約1,976万人。首都はブカレスト(人口約210万人)。GDPは、約1,773.1億米ドル、一人あたりのGDPは、約8,906米ドルである。
民族・宗教
住民は、ルーマニア人が89%、マジャル人(ハンガリー人)が6%、ロマ人が2%などである。公用語はルーマニア語で,その他ハンガリー語も話されている。宗教は、キリスト教正教会の一派ルーマニア正教会が81%、プロテスタントが6.2%、カトリックが5.1%
年表
生殖補助医療 関連年表
1996 | ドイツの援助により初めて体外受精クリニックが設立(Dr. Loan Munteanu) |
初めての体外受精児が誕生する(世界で18番目) | |
2003 | 生殖補助医療法案(No.217/2003)が提出される |
2004 | 大統領により生殖補助医療法案が拒否される(ゲイカップルのアクセス権を認めていないため) |
2006 | 元大学教授のAdriana Illiescuが66歳で娘を出産 |
体外受精
ルーマニア正教会では、夫婦の配偶子を用いた体外受精を許可している。他方、提供配偶子は、adulterlyであるとして認めていない。2012年で26施設の不妊治療施設がある。うち、体外受精は13施設で提供されている。
法律
2003年に生殖補助医利用法案 (No.217/2003)が提出されたが、最終的に大統領の拒否権により廃案となった。
代理出産
2003年の法案 (No.217/2003) では、カップルのみが代理出産を依頼できること、子どもの母親は代理母であり、養母は子どもを養子縁組することとされていたが、現在代理出産についての法律はない。代理母とその夫が対価を受けっていないことを条件に、依頼親は子供を養子にできると考えられる。
精子・卵子提供
IFFSの報告書によれば、国内で行われた卵子提供は13件で8件は新鮮胚移植、妊娠は2件のみと少ない。
ルーマニア人女性の卵子は世界中で取引されている。多くのルーマニア女性が、ギリシアやスペインに渡り、金銭対価をもらって卵子ドナーとなっている。とくに、スペインには90万人ものルーマニア人が住んでおり、スペイン在住の女性による提供もかなり含まれているものと思われる。
2008年に始まった経済危機のために、子どもを産みたい女性は減少、代わりに不妊の女性が出産するため卵子を提供したい女性が増加したとみられる。
イスラエルからの卵子提供ツーリズムでもよく知られている。イスラエル人医師がクリニックを設立し、ルーマニアで作成した受精卵(Prp-nucleate-stage)をイスラエルに輸入していた。これは、法的には卵子でもなく受精卵でもないものとして位置づけられる。卵子ドナーに健康障害が発生し、イスラエル人医師は取り調べを受けるなどの事件があり、その後、イスラエル人が経営するクリニックは閉鎖された。
胚提供
Link
Acociatia SOS infertilitatea Link
文献
Bretonnierce (2013)From laboratories to chambers of parliament and beyond: producing bioethics in Frence and Romania.Soc. Sci. Med 93: 95-102. Link
Cuts, D. (2008)On a Romanian attempt to legislate on medically assisted human reproduction.Bioethics 22(1):56-63. Link
Loan, B. et al. (2008)Ethical and Legal aspects in Medically Assisted Human Reproduction in Romania. Hum Reprod Genet Ethics 14(2): 4-13. Link
Michal Rachel Nahman(2016) Romanian IVF: a brief history through the ‘lens’ of labour, migration and global egg donation markets. Reproductive Biomedicine and Society Online 2:79-87. Link
Visky S. Béla (2022) SURROGACY IN ROMANIA. Link
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